種別 論文
主題 偏在開口を有する耐震壁の弾塑性性状に関する実験的研究
副題
筆頭著者 徳広育夫(鹿児島大学工学部)
連名者1 小野正行(近畿大学九州工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
9
2
先頭ページ 385
末尾ページ 390
年度 1987
要旨 1.まえがき
鉄筋コンクリート造構造物における耐震壁は、水平剛性と耐力が大きく、そのために水平力を負担させる重要な構造要素となっているが、その水平剛性と耐力の評価いかんによっては有壁ラーメン構造の安全性に大きな影響を及ぼすものである。現行の建築基準法施行令では、有壁ラーメン構造の安全性を確保するには、耐震壁の変形能力とその保有耐力を適切に評価することが構造設計上極めて重要な課題となっている。無開口耐震壁に関しては、既に数多くの研究がなされており、耐震要素として有効な耐震壁を設計する基本思想が明らかにされている[1]。また、その耐力を算定する種々の算定式が提案され、実際の設計に利用されている提案式もある。しかしながら、開口を有する耐震壁の弾塑性性状は無開口耐震壁ほど明らかにされていない。
従って、本研究は、壁筋比と付帯ラーメン(周辺架構)の拘束が同じ無開口耐震壁と偏在開口を有する耐震壁の試験体により繰り返し水平加力実験を行い1)開口の偏在がひび割れ性状、変形性状に及ぼす影響 2)RC規準[1]の開口による耐力低減率は、開口の大きさが一定であれば、開口形状および位置に無関係にそのせん断耐力が算定されるので、開口形状および位置によってせん断耐力が相違する著者提案の圧力場を形成する面積を考慮した耐力低減率の提案[2][3]と実験値との対応について検討を行ったものである。

6.結び
実験結果から得られた成果をまとめると以下のようになる。
i)開口隅角部の斜張力によるひび割れ幅の拡大はあまりなく、これが直接の破壊原因とはならなかった。
ii)せん断ひび割れが明確になった後、最大耐力近傍までのせん断変形は無開口耐震壁とほぼ同じで、その変形は全変形の8割り程であり、圧力場を形成する面積の大きいほうが若干小さい。
iii)せん断塑性係数とせん断変形角との間には両対数表示のもとで直線的な開係にあり、その低下は無開口耐震壁よりも若干小さく、圧力場を形成する面積の大きいほうが小さい。
iv)耐震壁の面積膨張は圧力場を形成する面積の大きいものほど大きくなり、無開口と偏在開口の耐震壁の面積膨張率の比は(1)式の耐力低減率ruの値に等しくなる.
v)RC規準の耐力低減率rは開口形状および位置に無関係であるが、形状と位置によって変化する(1)式の耐力低減率ruは汎用性があり、実験値とよい対応を示した。
PDFファイル名 009-01-2066.pdf


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