種別 | 論文 |
主題 | 並列耐震壁を有する鉄筋コンクリート構造物の応答性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 小野新(日本大学理工学部) |
連名者1 | 安達洋(日本大学理工学部) |
連名者2 | 中西三和(日本大学理工学部) |
連名者3 | 川端洋介(群馬県庁) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 429 |
末尾ページ | 434 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.序論 鉄筋コンクリート造(以後、RC造)建築物の高層化に対する需要が高まるにつれて、高層RC造に関する研究が各方面で盛んに行なわれているが、その対象とされているのは大半が純ラーメン構造である。一方、RC造を高層化する上で耐震壁を有効な耐震要素とするためには、耐震壁の靭性をいかにして向上させるかが問題となろう。米国等では矩形断面を有する耐震壁が一般的であり、この様な耐震壁はエネルギー吸収能の優れた曲げ型の履歴を示すことが報告されている。[1]本論では矩形断面を有する曲げ型耐震壁を対象とし、同様の壁で構成された並列耐震壁の弾塑性性状をまず静的加力実験により検討し、その結果から試験体の復元力特性をエネルギー的に等価でかつループ形状に類似性を持たせた、数学モデルの並列結合履歴として設定する。続いて同様の試験体で擬似動的実験を行ない、上述した数学モデルの妥当性の検証と並列耐震壁の応答性状について考察し、こうした形式の耐震壁を用いたRC造の高層化へ向けて、ひとつの可能性を探ることを目的とする。 8.まとめ 矩形断面の単体壁は曲げ型の良好な履歴を示し、同様の壁を有する並列耐震壁は支持条件、つなぎ梁の性質によってループ形状、耐力等に差がみられた。また、静的実験から求められたエネルギー的に等価なバイリニア成分と残留ループ形状より選定された数学モデルとの並列結合履歴は、並列耐震壁の応答性状を的確に再現することができた。擬似動実験における並列耐震壁の応答値は、1500galに基準化された多大な入力波に対してもきわめて良好な結果を示し、また、基礎固定型と基礎回転型とには最大応答変位においてさほど差が見られなかった。 以上より、矩形断面の壁で構成された並列耐震壁は優れた耐震性能を有し高層RC造建物の構造形式としてその有効性が確認できた。また本擬似動的実験は変位の制御を手動で行なう簡略化されたものであるが、実験結果を的確にシミュレートできたことから本実験法の信頼性が実証された。 |
PDFファイル名 | 009-01-2074.pdf |