種別 | 論文 |
主題 | 仮動的手法を用いたRC部材の弾塑性応答 |
副題 | |
筆頭著者 | 横山雅美(埼玉大学大学院) |
連名者1 | 睦好宏史(埼玉大学) |
連名者2 | 町田篤彦(埼玉大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 435 |
末尾ページ | 440 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.はじめに 構造物の地震時応答性状を明らかにするための有効な手法の一つとして、仮動的実験手法がある。本手法の利点としては、時刻歴応答解析のように、静加力実験結果より推定した復元力特性を用いることなく、直接載荷中の実験供試体よりその反力を求め、STEP BY STEPに計算を進めて行くというところにある。すなわち単純化された復元力モデルを用いずに計算が行われていくという点で、復元力モデルを用いた時刻歴応答解析よりも有効な解析結果が期待できる。また、実時間に対して極めて時間軸を延ばした状態ではあるが、供試体はあたかも地震を受けたときのように挙動する。よって、供試体の応答性状及び破壊過程を詳細に観察することが可能である。さらに加力が静的であることより振動実験のように大がかりな実験装置および計側装置を必要とせず、供試体の適応範囲が広いという点でも有効な実験手法であるといえる。しかしながら、本手法の問題点として構造物を質点系にモデル化した状態で実験が行われていること、載荷状態が実際と異なり静的であること、および実験に伴う誤差をも解析に取り込んでしまうこと等があげられる。よって、地震応答性状の再現性について疑問が残り、その再現度を正しく評価することが必要であると思われる。実験において誤差をいかに小さくするかについては数多く研究がなされ、そのための加力制御アルゴリズム等が報告されている。[1][2]しかしながら、加力が静的であることが仮動的実験結果に与える影響についての研究は少ない。本研究は振動実験結果と仮動的実験結果を比較することによって仮動的実験手法の地震応答再現性を検討するとともに、静加力状態の影響が仮動的実験結果に与える影響について解明しようとしたものである。 7.結論 本実験の範囲で次のようなことが言える。 (1)仮動的実験手法は、地震応答性状を明らかにするためのアプローチとして極めて有効な手法である。 (2)実験中に生じる誤差を最小限に抑えることは、仮動的実験としての精度を上げることに対して必要である。しかし、実験が精度良く行われたとしてもそれは仮動的実験において加力状態に対しての応答性状であり、真の地震応答性状を正確に再現しているかについては疑問が残る。事実、地震時のような連続載荷状態と仮動的実験のような断続載荷状態では、復元力特性に違いが生じる。この連続載荷と断続載荷の相違をモデル化し、仮動的実験の電算機システムに取り入れれば真の地震応答性状の再現性を高められるものと思われる。 |
PDFファイル名 | 009-01-2075.pdf |