種別 論文
主題 純フレーム構造における柱応力の動的増幅係数
副題
筆頭著者 壁谷沢寿海(横浜国立大学工学部)
連名者1 斉藤利昭(横浜国立大学大学院)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 459
末尾ページ 464
年度 1987
要旨 1.序
鉄筋コンクリート(RC)建物の終局型耐震設計法では、大地震時には、靭性の期待できる降伏ヒンジ位置を設定し、地震エネルギーを吸収させる考え方が基本になる。純フレーム構造の場合は、はり降伏型の降伏機構を設定し、いわゆる層降伏を避けることが意図され、はり端、最上階柱頭及び1階柱脚以外では降伏ヒンジが生じないように設計することになるが、実際の建物でこれを確実に実現するためには、計算では予想しえない要因も考慮する必要がある。すなわち、静的な塑性解析にもとづく設計を前提にすると、施工上の配筋、スラブ筋及び鉄筋の歪硬化等によりはり耐力が計算値より上昇すること、動的な効果により外力分布が変動し静的な解析による計算値より大きな柱応力が生じうること、さらに、2方向の地震力が同時に作用すること、等を考慮する必要がある。本研究は、RC純フレーム構造の地震応答解析を行ない、層せん断力の動的な効果による変動の性質を明らかにし、この性質にもとづいて、はり降伏型を確保するための柱の設計用応力の動的増幅係数を設定する方法を検討したものである。

6.結論
柱の設計用応力の動的増幅係数を設定することを目的として、5、7、9階の純フレーム構造の建物の非線形地震応答解析を行ない、以下の点を明らかにした。
(1)動的な効果による水平力及びせん断力の基準モードに対する変動分は、既往の壁フレーム構造の場合と同様の仮定により、入力加速度から定量的に推定しうる。
(2)静的な解析によるせん断力の上限値と最大加速度に対応する高次の変動分の和は、動的解析における最大応答値の上限となっており、層せん断力及び柱の動的増幅係数は、想定する地震波の最大加速度及び保有耐力に応じて、合理的に設定することが可能である。
(3)柱の曲げモーメントの動的増幅率はやや大きい傾向があるが、層せん断力の動的増幅係数がほぼ上限となっている。
PDFファイル名 009-01-2079.pdf


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