種別 | 論文 |
主題 | 高強度PC杭の変形性能を考慮した杭頭接合部に関する実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 黒正清治(東京工業大学工業材料研究所) |
連名者1 | 和田章(東京工業大学工学部) |
連名者2 | 小林克巳(福井大学工学部) |
連名者3 | 上田邦成(東京工業大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 471 |
末尾ページ | 476 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.序 近年、上部構造に対してだけでなく、基礎構造に対しても変形性状を考慮した設計法の確立が必要であると認識されており、構造物を支える杭にも水平力を負担させるという考え方が一般的になっている。高強度PC杭(PHC杭)については、多くの研究により、その性状が明らかになってきており、変形性能向上策も提案されている。PHC杭に関する筆者らの研究では、杭径30cmのB種PHC杭を杭体軸方向筋も含めて杭頭部をカットオフし、パイルキャップに30cm埋込んだ場合、低軸力下で水平力を受けた時埋込み部分における付着すべりに起因すると思われる耐力低下が確認された(文献1)。 また、杭体に損傷を与えることなく杭体軸方向筋を残して杭頭部をカットオフできることを想定し、杭頭部をパイルキャップに30cm埋込み、杭体軸方向筋を完全定着させ、杭中空部にコンクリートを中詰めした場合、高軸力下では比較的良好な復元力特性を示すが、低軸力下では杭体軸方向筋が破断し、耐力が急激に低下した(文献2)。これは、軸方向筋である異形PC鋼棒に伸び能力がないためと思われる。 そこで本研究では、付着すべりによる耐力低下および杭体軸方向筋の破断を防ぎ杭の変形性能向上を目的として、以下の実験を行なった。 4.結論 以上の実験結果から次のようなことが言える。 (1)杭体軸方向筋の間に異形鉄筋を付加するとひび割れは分散するが、杭体軸方向筋をパイルキャップ内に完全定着させた場合、大変形時の軸方向筋破断は防止できない。 (2)杭体軸方向筋を含めて杭頭部をカットオフし、パイルキャップ内に杭径の2/3程度埋込み、中詰めコンクリート内に杭体軸方向筋の強度と応力中心間距離を考慮した鉄筋量に相当する軸方向筋を配筋して十分定着させれば、低軸力下での杭体軸方向筋の付着すべりによる耐力低下および杭体軸方向筋破断を防ぐことができ、大変形時にも耐力を確保できる。 |
PDFファイル名 | 009-01-2081.pdf |