種別 | 論文 |
主題 | 高強度鉄筋を用いてプレストレスを導入したPRCはりの曲げ性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 鈴木計夫(大阪大学工学部) |
連名者1 | 大野義照(大阪大学工学部) |
連名者2 | 白井敏彦(大阪大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 489 |
末尾ページ | 494 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.はじめに 鉄筋コンクリート構造における高強度鉄筋の利用は、短期荷重に対しては部材強度の増加、鋼材量の節減、配筋の簡略化等の多くの利点を有しているが、常時荷重下において強度に見合う高い鉄筋応力を許すとひびわれ幅やたわみが大きくなるという問題があり、その有効な利用が狭められている。その解決策としてはPC鋼材にてプレストレスを導入し、常時荷重下の鉄筋応力を1)制御するいわゆるPRC構造とすることも一方法であるが、高強度鉄筋そのものの引張によるプレストレッシング工法によってひびわれ幅やたわみを制御する方法がより有効であると考えられる。この場合も、鉄器はプレストレスを導入するPC鋼材とひびわれの分散を計る引張側鉄筋の両者の役割を果たし、一種のPRCとみなせよう。筆者らは鉄筋そのものの引張による高強度鉄筋の有効利用を目指し、先に普通強度の鉄筋を用い同じ鉄筋量のはりにおいて鉄筋の引張によってプレストレスを導入した場合と、同量のプレストレスをPC鋼材を用いて導入した場合の比較実験を行ない、鉄筋が降伏しない範囲では両者のひびわれ幅、たわみ性状は等しいこと、コンクリート断面に作用するプレストレスの損失は総鋼材量の少ない鉄筋を引張した場合の方が小さいことなどを報告した。2)本論文では、鉄筋の引張応力の大きさと載荷時期を実験変数として高強度異形鉄筋(SD50)を用いてプレストレスを導入したはりの曲げ載荷実験を行ない、コンクリートのクリープ・乾操収縮によるプレストレスの損失やひびわれおよびたわみ等の曲げ性状を調べ、高強度鉄筋の有効利用の一方法について述べる。 4.まとめ 高強度鉄筋の有効利用の観点から高強度鉄筋を鉄筋応力度で1000〜3000kg/cm2引張しプレテンション方式でプレストレスを導入したはりのプレストレス力の損失や曲げ性状を調べた結果をまとめると次のようになる。 (1)導入から載荷までの保存期間中に生ずるプレストレス力の損失はコンクリートのクリ−プ変形による損失よりも乾燥収縮による損失が大きい(図4)。したがって導入後長期間保存される場合はこの間の乾燥収縮を低減することによってプレストレスの損失を少なくできる。 (2)ひびわれ幅やたわみの制御に対して鉄筋の引張力の大きさに応じた効果が確認できた。ひびわれ幅は鉄筋位置のコンクリート応力が0のときからの鉄筋応力の変化量をとらえたPRC指針解説の式によって算定できた(図7〜図9)。 (3)プレストレスを導入して3ヶ月後載荷したはりにおいてもプレストレッシングの効果が認められた(図7〜図9)。 (4)繰り返し荷重下におけるたわみの復元性およびひびわれの閉合性に対してもプレストレッシングの効果が認められた(図10〜図13)。 |
PDFファイル名 | 009-01-2084.pdf |