種別 | 論文 |
主題 | アウトケーブルを用いたPRCばりの力学的挙動 |
副題 | |
筆頭著者 | 柳沼善明(日本大学理工学部) |
連名者1 | 北田勇輔(日本大学理工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 495 |
末尾ページ | 500 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 近年、諸外国ではアウトケーブルを用いた構造物(部材断面の外部にPC鋼材を配置した構造物)の設計施工が注目されている。その施工例としては米国フロリダのKeysの諸橋梁[1]、クェートのBubiyan橋[2]などがある。一方、コンクリート構造物の劣化が大きな問題として取り上げられ、コンクリート構造物の補修や補強が必要になってきている。このような構造物の補修や補強の一つの方法としては、アウトケーブルの採用が有効であると考えられる[3,4]。 アウトケーブルの使用には数々の利点[5]が考えられるため、今後我国においてもその使用が増加するものと予想される。しかしながら、我国におけるアウトケーブルに関する研究は数少ないため、本研究はアウトケーブルを採用するにあたっての基礎資料を得ようとするものである。著者らは、同一主鉄筋量(約0.29%)を持つアウトケーブルを用いたPCばりと従来工法によるPCばりとの静的曲げ破壊実験を行い、アウトケーブルの支持点数(1〜5ヶ所とないものとの六種類に変化)に着目した強度特性、変形性状などを明らかにした[6]。そこで、本研究は鉄筋コンクリート構造物に対してアウトケーブルの採用を考慮し、アウトケーブルを用いたPRCばりと従来工法によるPRCばりとの静的曲げ破壊実験を行い、支持点を設けないアウトケーブルを用いたPRCばりの主鉄筋量に着目した強度特性、ひびわれ性状ならびに変形性状について従来工法によるPRCばりと比較検討を試みた。実験に用いたPRCばりは主鉄筋量を三種類に変化させた。 4.結論 主鉄筋量の異なるアウトケーブルを用いたPRCばりの曲げ載荷実験を行い、従来工法のPRCばりと比較した結果得られた結論は次の通りである。 (1)ひびわれ発生時の曲げモーメントMcrの実測値はシリーズN、シリーズOともにほぼ同一な値を示した。 (2)最大曲げモーメントMmaxの実測値について、qが0.07〜0.23でシリーズOのMmax/bd2σcyはシリーズNの約4%の減少であった。 (3)各提案式によるMmaxの計算値は実測値と良く一致した。しかし、PC鋼材の応力の各計算値は実測値と比較し広範囲にばらつくため、各提案式をPRCばりのMmax算定に適用するにはさらに検討が必要である。 (4)最大ひびわれ幅の実測値について、シリーズOはシリーズNと比較して約4〜11%増加する傾向にあった。 (5)Mmaxまでの変形曲線はシリーズOとシリーズNとに相違が見られず同様な変形曲線が得られた。シリーズOのU0.80はシリーズNと比較してqが0.07〜0.13で約41〜50%の減少となった。 |
PDFファイル名 | 009-01-2085.pdf |