種別 | 論文 |
主題 | 両端固定鉄筋コンクリート造一方向床スラブの長期曲げ性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 岩原昭次(熊本工業大学) |
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キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 615 |
末尾ページ | 620 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1まえがき 載荷によってひびわれを生じる床スラブのような板厚が薄い曲げ部材で、長期にわたって持続載荷を受ける場合、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮が終局状態に達するまで、その経時たわみは載荷直後から著しく増大する様相を示す。このような経時たわみの予測に対して、旧来、コンクリートのクリープや乾燥収縮を考慮した曲率の経時変化等の算出方法に準じた解法、あるいはACI435委員会による推奨式(文1)等が多く用いられていたが、近年の我国の実験資料等によれば、それだけでは不十分で、更に端部引張鉄筋の抜出しによる付加たわみを考慮する必要があることが定性的に分ってきている。しかしながら、その抜出しによる付加たわみを定量化するためには、コンクリートのクリープと乾燥収縮、及び付着応力とすべり関係の経時的劣化の関係を明らかにしなければならず、いまだ、不明の点があるものと思われる。 一方、膨張コンクリートはコンクリートのひびわれ防止に有効牲が認められているが、長期荷重下における床スラブとしてのたわみ防止効果については資料が少ないようである。 以上の観点から、本研究は、床スラブの長期予測に関する基本的研究として、両端固定鉄筋コンクリート造一方向スラブについて、ひびわれの有無、端部引張鉄筋の有効丈の相違及び普通コンクリートと膨張コンクリートの2つの使用材料の相違に着目し、長期載荷実験(経過日数約900日)を行いその定性的な曲げ性状を検討すると共に、特に、端部引張鉄筋の抜け出しによる長期たわみへの影響を解析的に検討することを目的とする。 5まとめ (1)本実験結果として、スラブ下面中央部の経時たわみは端部上端筋の有効丈にあまり影響を受けないようである。また、膨張コンクリートを使用すると、載荷時のひびわれ発生の有無に関係なくその経時たわみは普通コンクリート使用のものに比較して約0.4〜0.6倍程度にすぎない。 (2)長期たわみについて、普通コンクリート使用のスラブは、端部上端筋の抜出し量として、その上端筋の鉄筋力によるもの(S1)の他に、スタブ内の乾燥収縮歪を考慮する(S2)と、解析値は実験値に比較的近以し、その際、S2が経時たわみに大きく影響を与えることが本解析では示された。これについては、今後更に検討する必要があると思われる。 |
PDFファイル名 | 009-01-2106.pdf |