種別 論文
主題 ポリプロピレン繊維補強セメント中の繊維・マトリックス間の付着特性に及ぼす繊維の表面処理の影響
副題
筆頭著者 大野定俊(竹中工務店)
連名者1 D.J.Hannant(サリー大学)
連名者2 J.G.Keer(サリー大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1215
末尾ページ 1220
年度 1990
要旨 はじめに
ポリプロピレン繊維補強セメントはヨーロッパを中心にアスベスト代替品のひとつとして開発されてきており、近年商品化され実際に用いられ始めている。市場の状況が異なるので、わが国で同じような利用が可能か否かは今後の課題であると思われるが、この複合体は高強度かつエネルギー吸収能に優れているので、さらに色々な利用方法が考え出されてゆくものと期待されている。ボリプロピレン繊維は一般的な合成繊維であり、繊維自身は表面の親水性などの点から考えて必ずしもセメントの補強材に最適とは言えない。しかし、セメント補強用に用いる目的で開発されてきた繊維は小繊維化された網状の連続繊維であり、繊維とマトリックスの付着特性の種々の改良がなされてきている。ポリプロピレン繊維に限らず、今後色々な繊維がセメント補強材の対象として考えられている状況のなか、どのような付着特性の改善が複合体の性能を高めるために有効であるかを知ることは、この種の材料の今後の発展にとって重要なポイントとなると思われる。
まとめ
本研究では小繊維化したポリプロピレン繊維の表面処理が複合体中の付着特性に及ぼす影響について実験的に検討した繊維の観察と、複合体の横断面の画像解析結果から、このポリプロピレン繊維は主繊維とその両端部から分岐する細かな2次繊維や毛状繊維から成っていることが明らかになった。また、繊維の表面処理は濡れ性を改善する化学的な処理と機械的な付着を増すアブレージョン処理の両者を含んでいるが、表面処理による付着特性の改善効果は期待されたほど大きくはなかった。この理由としては、この繊維の応力伝達が繊維自身の網状の構造とネット化される場合にできる小繊維あるいは毛状繊維の機械的な効果によって大きく支配されているためと考えられる。
PDFファイル名 012-01-1212.pdf


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