種別 | 論文 |
主題 | 変動軸力を受ける鉄筋コンクリート柱の曲げ変形性状に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 林靜雄(東京工業大学) |
連名者1 | 黒正清治(東京工業大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 1 |
号 | 0 |
先頭ページ | 353 |
末尾ページ | 356 |
年度 | 1979 |
要旨 | 1 序および目的 地震時に構造物の柱には、曲げモーメントとせん断力とともに軸力も変動しながら作用している。鉄筋コンクリート柱の復元力特性は、軸力の大きさに大きく影響されるにもかかわらず、軸力が曲げモーメントやせん断力と同時に変動しながら作用している鉄筋コンクリート柱に関する実験は、あまり行なわれていない。 本論文は、鉄筋コンクリート柱について、軸力と曲げモーメントを変動させながら作用させた実験を行い、鉄筋とコンクリートとの付着による影響を考慮した曲げ解析を行って、実験結果と比較検討したものである。 5 結論 以上の実験と解析によって次のことがいえる。 (1)降伏モーメントは、軸力の変動幅が今回の実験で行った範囲では、軸力の大きさで定まり、それまでの載荷経路には影響されない。 (2)荷重一定で軸力を増加させても、曲率はあまり変化せず、その軸力を一定に保ったまま荷重を増加させると曲げモーメントと曲率の関係は、その増加した軸力で定軸力載荷を行った試験体の曲げモーメントと曲率の関係に近づく。 (3)荷重一定で軸力を減少させると、軸力の減少に伴って曲率が減少し、減少した軸力で定軸力載荷した試験体の曲げモーメントと曲率の関係に近づく。 (4)ひびわれ間のコンクリートは、付着によって鉄筋の剛性を高める作用をし、それを見かけ上の力とすると、ひずみの関係は、Fig.10のようにモデル化することができる。 (5)通常の断面曲げ解析に、(4)の付着によるみかけ上の力とひずみとの関係をとり入れることにより、付着を考慮した断面解析を行うことができ、この解析は実験結果とよく一致した。 以上のように本論文は、軸力と曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート柱の復元力特性が、軸力と曲げモーメントの変動経路によって大きく影響されることを述べ、また、付着を考慮した断面曲げ解析法を示し、この解析結果が実験結果とよく一致していることを述べてきた。従って、今後、曲げモーメントと軸力の他にせん断力も同時に変動する部材の復元力特性を調べるとともに、本解析法の拡張をはかっていく必要があろう。 |
PDFファイル名 | 001-01-0089.pdf |