種別 | 論文 |
主題 | 液体窒素で冷却した砂を用いたコンクリートの製造に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 木村 克彦(清水建設) |
連名者1 | 小野 定(清水建設) |
連名者2 | 後藤 貞雄(東京ガス) |
連名者3 | 峯岸 考二(東京ガス) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 10 |
号 | 2 |
先頭ページ | 157 |
末尾ページ | 162 |
年度 | 1988 |
要旨 | まえがき 近年、長大橋の下部工、LNG地下式貯槽の底版、側壁、原子力発電所のベースマットなど、コンクリート構造物の大型化に伴い、セメントの水和熱による温度ひびわれ制御が構造物の品質を確保するうえで重要な検討課題となっている。このような温度ひびわれ制御対策の一方法として、プレクーリング工法があり、冷水や氷によるプレクーリングが古くから実施されている。また国内において、コンクリート練りまぜ中または練りまぜ後に、液体窒素を用いたプレクーリングも実施されるようになってきた[1]。しかし、コンクリート練りまぜ前にその構成材料である砂を液体窒素により極低温(0〜-100℃)に冷却し、コンクリートをプレクーリングする方法については、研究されていないのが現状である。本報告では、コンクリート製造プラントに冷却砂製造装置を組込んで行なった冷却砂および冷却砂を用いたコンクリートの製造実験結果について、冷却効率および冷却コンクリートの特性について報告するものである。 まとめ 本研究は、コンクリート製造プラントを用いて液体窒素により冷却した砂および冷却砂を用いて練りまぜたコンクリートについて、冷却コンクリートの特性およびその冷却効率について検討したものである。本研究で得られた主な成果を列挙すれば次のとおりである。1)液体窒素により冷却した砂の粗粒率、含水率、表面水率などは冷却しない砂に比べてほとんど変わらない。2)冷却砂を用いたコンクリートのスランプおよび圧縮強度は常温砂を用いたコンクリートに比べて増加する傾向が認められた。3)冷却砂を用いたコンクリートの練上り温度は、温度範囲で異なる係数をコンクリート練上り温度の計算値に乗じることによって推定できることがわかった。4)液体窒素により冷却した砂を用いてコンクリート1m3を1℃冷却するのに必要なLN2量は約8.4kg/m3℃であり、他の液体窒素を用いる方法に比べて少ない液体窒素でコンクリ−トを冷却できる。5)液体窒素で冷却砂を製造しこれを用いたコンクリートの練りまぜを実機プラントを用いて行った結果、実用上問題なくコンクリート温度を最大約30℃低減できることが確認された。本研究は東京冷熱産業との共同研究で行った。最後に、本研究の実施に当って東工大長瀧重義教授のご指導を戴いたことを記して謝意を表します。 |
PDFファイル名 | 010-01-1028.pdf |