種別 論文
主題 有限変形を考慮したコンクリ一卜構造物のクリープ解析
副題
筆頭著者 椿  龍哉(横浜国立大学)
連名者1 柴田 辰美(横浜国立大学)
連名者2 坂本  淳(横浜国立大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
10
3
先頭ページ 343
末尾ページ 348
年度 1988
要旨 序論
コンクリート構造物の長期にわたる変形挙動を正確に把握することは、構造物の耐久性や使用性を確保するために不可欠である。短期および長期の材料特性が非線形性を示す任意形状のコンクリート構造物の長期変形挙動を予測するためには、材料に関する実験結果に基づく有限要素解析が有効な手段であると思われる。コンクリート構造物の場合、コンクリートが鋼材に比べて小さいひずみで破壊するため、材料非線形性が構造物の変形挙動を主として支配することが多い。しかし、コンクリート構造物の構成材料が非線形領域に入った後、構造物がまだ耐荷カを有し、大変形を許容する場合がある。そのような場合の変形挙動を数値解析により調べる際には、材料非線形性だけではなく、幾何学的非線形性も考慮に入れた解析方法を用いる必要がある。有限変形を考慮した有限要素解析は従来多く研究されているが、コンクリート構造物について有限変形を考慮した有限要素解析を行っている例は少ない。本研究では、Updated Lagrangian法により有限変形を考慮した有限要素法を用いてコンクリート部材を解析し、有限変形の影響を具体的な数値計算例により検討する。
結論
コンクリート構造物のクリープ変形に関する有限要素解析において、材料非線形性のもとで、有限変形のおよぼす影響の程度を数値計算例により検討を行った。コンクリートは鋼材に比べて小さなひずみで破壊するため、それ自体のみでは大きな変形に耐えられない。したがって、コンクリートそのものの挙動がコンクリート構造物全体の挙動に対して支配的な影響を与える場合には、材料非線形性が卓越する。この様な場合には従来の微小変形のみを考慮した有限要素解析で工学的に十分な結果を得ることができる。しかし、コンクリート構造物または部材が、材料非線形の領域に入った後も、耐荷力があり、大変形に耐えられる場合には有限変形を考慮し、幾何学的非線形性を取り入れる必要があることが構造物の部材長(L)・断面寸法(D)比をパラメータとして解析した結果確認された。有限変形を考慮することの影響の程度としては、たとえば、L/D=10の場合には、微小変形に基づく計算結果より変位が約10%増大した。
PDFファイル名 010-01-2063.pdf


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