種別 論文
主題 ワーカビリチー評価のために開発した斜め加力レオメータの提案
副題
筆頭著者 難波蓮太郎(工学院大学)
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キーワード
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先頭ページ 165
末尾ページ 170
年度 1989
要旨 はじめに
フレッシュな建設材料のワーカビリチーの試験方法は今迄に多く提案され実用化されてきた。特に、近年では回転粘度計、球引き上げ粘度計、平行板プラストメータ等の各種のレオメータを用いて、セメントペースト、モルタル、コンクリートのワーカビリチーをレオロジー的に解明しようとする研究が多く報告されている。これは、新たに開発された材料を含めて現在多種多様化している建設材料に対して、従来のスランプ値のみによるコンステンシーの評価方法では到底表現できないレオロジー性状があり、レオロジー定数によってこれを正確に把握することが、当面する重要な研究課題となっているからである。そこで得られた結果は今後においての貴重な資料になり得る。しかし、既存の試験方法から得られた材料のレオロジー特性のみから、その材料のもつ人間要因を考慮した適確なワーカビリチー特性を表現することは不可能と考える。即ち、既存の試験方法からは種々のレオロジーパラメータの或る1つ又は2つを得る事は可能であるが、得られた特性値を含めて現実には複雑に係わり合っているその他のワーカビリチー特性を同時に得ることは至難だからである。実際には材料を取り扱うのは人間であり、その時に人間が感ずる材料のワーカブルな見地からの追及は、本来求められるべきワーカビリチー(work+ability)の本質につながるものであり、それ故ワーカビリチー評価に人間要因の導入も必要である。 そこで左官技能者の鏝塗り作業に着目し、考案・開発を行ったAST装置(Apparatus for Simulation of Trowelling)を用いることにより、左官技能者が感ずる定性的、心理的ワーカビリチー特性を定量的に捉えることを本研究の目的とした。
結論
既往のワーカビリチー試験方法では材料のワーカビリチーの一義的表現が一般的である。即ちスランプ試験、ペネトロメータ等において材料の自重による変形や鉛直加重による貫入深さを求めることは、AST装置において容器底板面に対する垂直方向の抵抗力Fnrを求めることに相応する。又、フロー試験、帯形粘度計等で水平方向の試料の広がりやせん断抵抗を求めることはAST装置において容器底板面に水平方向の抵抗力Ftrを求めることに相応する。さらにAST装置で得られるM値について、これと類似する特性値を求め得る試験方法は存在しない。コンクリートについてもこの装置は実用できた。本試験装置の応用は建設工事における″人間−工具−材料(man-machine-material)″の3者間の関連を更に追及するためにも有効な手法であると思われる。
PDFファイル名 011-01-1025.pdf


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