種別 論文
主題 一軸圧縮応力を受けるコンクリートの透気性および吸水特性
副題
筆頭著者 米倉亜州夫(広島大学工学部)
連名者1 田澤栄一(広島大学工学部)
連名者2 黒澤功(広島大学大学院)
連名者3 井上英司(広島大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 401
末尾ページ 406
年度 1990
要旨 まえがき
近年、鉄筋コンクリート構造物の早期劣化が問題となっているが、コンクリート構造物の劣化原因としては凍害、塩害、アルカリ骨材反応、中性化などが挙げられる。このなかでコンクリートの中性化は、一般環境下であっても確実に進行してゆく。コンクリートの中性化が鉄筋部にまで達するとコンクリートによる防食機能は失われ、腐食に必要な水と酸素が供給されれば鉄筋は容易に腐食する。コンクリートの中性化はコンクリート中のCa(OH)2と空気中のCO2が反応して生じると言われているので、コンクリートの透気性と密接に関係している。また、コンクリート表面からの吸水性は、外部から塩分が水に溶けてコンクリート内部に侵入してくるので重要となるが、透気性に及ぼす要因と重複しているものが多いと思われる。しかしプレストレスを導入したコンクリートの透気性、吸水性に関する研究はほとんど報告されていない。また、コンクリート中の細孔構造やブリージングによって骨材下面に生ずる欠陥と透気性、吸水性、さらには中性化との関係についての研究も少ないようである。そこで本研究においては一軸圧縮応力を受けるコンクリートの透気性、吸水性だけでなく、細孔構造やブリージングによる欠陥部の相違が透気性、吸水性に及ぼす影響についても検討した。
まとめ
本研究は一軸圧縮応力を受けるコンクリートの透気性、吸水性の関係、また細孔構造や欠陥部の違いが透気性、吸水性に及ぼす影響について検討したが、本研究の範囲内で次のようなことが明らかとなった。(1)透気速度は透気方向により異なり、打ち込み面に垂直方向に透気させたとき最も大きくなつた。また打ち込み面から透気させた場合が、その逆向き(底面から)に透気させた方より小さくなつた。(2)ブリージングによって生じた欠陥部が透気性に及ぼす影響が極めて大きいため、ダブルミキシングによりブリージングを著しく滅少させた供試体は気密性、水密性とも向上した。(3)オートクレーブ養生を施すことにより透気性、吸水性とも大きくなった。(4)プレストレスを導入することにより空気透過量は少なくなり、応カ強度比が0.3の場合、プレストレスなしの場合の1/2以下となった。その減少の割合は、導入応力が大きいほど大きく、圧縮強度の0.3の応力を導入した場合、0.15のときの倍となり、普通養生を施したものより、オートクレーブ養生のもののほうが大きかった。(5)プレストレスを導入することにより吸水量は約6〜7割に滅少した。透気性同様、普通養生よりオートクレーブ養生のほうが、その減少率は大きい。(6)シリカフュームを用いたコンクリートは、極めて緻密な組織となるので、透気性、吸水性ともに普通コンクリートの場合より小さく、水セメント比が50%の場合でNCの場合約6割に、ACの場合は約4割に低下した。ただし、同一圧縮強度においてはほぼ同様な値となった。
PDFファイル名 012-01-1068.pdf


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