種別 | 論文 |
主題 | RCスラブの曲げひびわれ挙動に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤正俊(名古屋工業大学大学院) |
連名者1 | 上原匠(名古屋工業大学大学院) |
連名者2 | 梅原秀哲(名古屋工業大学) |
連名者3 | 吉田弥智(名古屋工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 2 |
先頭ページ | 603 |
末尾ページ | 608 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 現在、各国で用いられているコンクリート構造物の設計指針は、構造解析方法として、線形解析を用いることを基本としている。高次の不静定構造であるRCスラブにおいても、ひびわれ発生前の応力分布は線形解析によってかなり正確に求めることができるが、ひびわれが生じた後は応力の再配分が生じ、線形解析で得られる応力分布とはかなり差が生じる。また、実用的塑性解析法の一つとして降伏線理論があるが、この手法では終局耐力のみが推定できるにすぎない。これに対して近年、コンピュータの発達にともない、有限要素法を用いてRC構造物の弾性域から終局までの力学的挙動が解析可能となってきた。その中で、RCスラブの解析においては、スラブをコンクリート層と鉄筋層に分割して取扱う積層要素法があげられる。積層要素法に関しては、F.R.Hand、C.S.Lin、M.K.Wanchoo、土橋、上田らの研究があるが、その違いは、使用した要素の自由度とコンクリートの破壊条件の相違、コンクリートのテンションスティフネスの考慮などである。本研究では、最近、岡村、前川らによって報告されたひびわれ後のコンクリートの構成則を用いて、テンションスティフネスだけでなく、圧縮剛性、せん断剛性をも考慮した積層要素法プログラムを開発した。そこで、このプログラムを用いてRCスラブのひびわれ後の挙動を推定するとともに、実験を行いその挙動を比較することによって、解析手法の妥当性を検討した。 結論 本研究で得られた結果をまとめると以下のとおりである。1)スラブを平面的に四角形要素に分割し、さらに分割された各要素を層状に分割する積層要素法を用い、コンクリートのひびわれや非線形の応力−ひずみ関係を考慮することにより、単純支持条件のRCスラブのひびわれ後の挙動を解析的に、かなりの精度で推定できることが明らかとなった。2)解析結果を実験結果と比較することにより、本研究で開発された解析プログラムでRCスラブの破壊荷重、変位挙動、鉄筋のひずみ、ひびわれ性状を十分に解析できることが明らとなった。3)降伏線理論は、破壊荷重のみを与えるが、本解析ではひびわれ性状、変位挙動をも推定でき、さらに破壊荷重については、スラブの破壊実験との比較によって本解析の方がさらに良い精度で推定できることが明らかとなった。 |
PDFファイル名 | 012-01-2101.pdf |