種別 報告
主題 ビニロンFRPロッドをスターラップとして用いたはりのせん断試験
副題
筆頭著者 手塚正道(オリエンタル建設)
連名者1 近藤順(オリエンタル建設)
連名者2 岡崎正樹(クラレ)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1123
末尾ページ 1128
年度 1990
要旨 はじめに
近年、コンクリート構造物の補強材として、耐食性や非帯磁性に優れた新素材による繊維強化プラスチックス(以下FRP)のロッドに関する研究が盛んに進められている。特にその素材としては、炭素繊維、アラミド繊維及びガラス繊維によるものが多く報告されている。ここでは、素材として高強度ビニロン繊維に着目した。一般に短繊維(汎用品)として抄造用または吹付けモルタル用の補強材として用いるビニロン繊維はポリビニルアルコール(以下PVA)から作られるが、本繊維(高強度品)は、高重合度のPVAを用いて湿式紡糸し、高延伸することにより従来の繊維に比べ高強度、高弾性率化されたものである。この素材を他の素材と比較するために、小林らがまとめた各種高張力繊維の特性値の表に付記したものを表−1に示す。この表によると、高強度ビニロン繊維は軽量で伸び能力はあるが、引張強度及び弾性係数は比較的小さい部類の素材となる。また、熱分解温度が低いので、高温になることが想定される場合は使用上の注意が必要となる。他に特性としては、アルカリ性に対して安定性が有り、また、クリープ変形が小さいという結果が得られている。本報告は、この高強度ビニロン繊維から成るFRPロッド(以下VFRPロッド)をスパイラル状に連続成形し、スターラップとしてRCはりまたはPCはりに用いた場合のせん断性状について載荷試験を行って検討したものである。
まとめ
本実験で得られた結果をまとめると次のようになる。(1)せん断耐力において、スパイラル状のVFRPロッドよるスターラップの効果は、ばらつきがあるものの(3)式が比較的安全側に近似した結果を与えている。ただし、スターラップのピッチが大きい場合、及び有効プレストレス力が大きい場合は別途考慮する必要がある。(2)せん断ひびわれは、スターラップのピッチが小さい程、分散性が高く、幅が制御されている。(3)せん断ひびわれ幅は、スターラップのひずみと線形に近い関係を示す。以上本実験の範囲では、スパイラル状のVFRPロッドが鉄筋に替わるコンクリートはりのスターラップとして評価できる結果が得られた。
PDFファイル名 012-02-1196.pdf


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