種別 論文
主題 鉄筋コンクリート部材のせん断耐力評価および設計法に関する研究
副題
筆頭著者 鈴木基行(東北大学)
連名者1 姜錫和(東北大学)
連名者2 尾坂芳夫(東北大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
13
2
先頭ページ 191
末尾ページ 196
年度 1991
要旨 まえがき
曲げおよび軸力を受けるRC部材の耐力評価に関しては、塑性理論を基礎とした理論が展開されており、その耐力間の相関関係も確立され、現在ではそれを基にした設計が行われている。これに対し、せん断力を受ける部材の耐力の算定方法については、約100年前Ritter-Morsehによっていわゆるトラス理論が提案されて以来、非常に多くの提案がなされ、数多くの実験結果が発表されているにもかかわらず、RC部材のせん断挙動を説明できる一般的に容認された理論は、いまだ確立されていないのが現状といえる。現行のせん断設計法では、せん断耐力をせん断補強筋の受け持つせん断耐力とそれ以外の部材断面自身の受け持つせん断耐力との和で表す方法が用いられている。しかし、部材断面自身の受け持つせん断耐力は、多くの実験データから回帰分析手法によって求めているため、力学的意味が必ずしも明確でなく、従来考えられていた適用範囲を越えるような場合には、対応できなくなる欠点がある。したがって、せん断設計法は曲げ設計法のように、世界的に広く認められた共通の設計手法がなく、過去の経験や研究の進展状況などの違いにより、国や機関によって種々異なった設計基準が定められているのが現状である。著者らは、塑性理論の上界定理の手法の一つである終局つり合い法に基づいて、曲げ、せん断および軸力が同時に作用するRC部材のせん断耐力および耐力間の相関関係を提案したが、本論文においては、提案されたせん断耐力式および相関閑係を基に、せん断力の引張主鉄筋に及ぼす影響を考慮に入れた新しいせん断設計法を提案することを目的とした。さらに現行の設計法による計算値と提案された設計式に基づく計算値とを比較検討した。
結論
本研究は、45°トラス理論に基づいている現行のせん断設計法を見直して、曲げ、せん断および軸力が同時に作用するRC部材のせん断耐力および斜めひびわれの角度を解析的に評価すること、および理論的な根拠に基づいた設計手法を提案することを目的としたものであり、得られた結果は以下のとおりである。1)曲げモーメント、せん断力および軸力を受けている部材に対して、せん断耐力評価式および斜めひびわれ角度の評価式を理論的に誘導した。2)曲げ、せん断および軸力を同時に受けるRC部材を対象に、誘導されたせん断耐力評価式、および耐力間の相関関係を基にして、せん断力および軸力の引張主鉄筋に及ぼす影響を考慮した新しいせん断設計法を提案した。3)同一断面、同一耐力下で、部材全体の所要鉄筋量が最少となるのは、せん断に抵抗させるせん断補強筋量とせん断の影響によって追加される引張主鉄筋量とが等しい場合であることがわかった。4)本研究の設計法による引張主鉄筋量は、現行の設計法によるそれと比べ、fckにあまり影響受けず、増加すべき割合(ks/SUB>)はほぼ一定であることがわかった。しかし、せん断補強筋量は現行の設計法によるそれと比べ、減少可能な割合(kv)はfckが大きくなるほど直線的に小さくなることがわかった。5)ks/SUB>はスパンが長くなるほど小さくなり、kv/SUB>はスパンが長くなるほど若干大きくなることがわかった。6)本研究の設計法による全所要鉄筋量はスパンが長くなるほど現行の設計法によるそれに近づいていくことがわかった。
PDFファイル名 013-01-2029.pdf


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