種別 論文
主題 鉄筋コンクリートコーベルの耐力算定式について
副題
筆頭著者 上田真稔(竹中工務店)
連名者1 竹内則雄(明星大学)
連名者2 上林厚志(竹中工務店)
連名者3 樋口晴紀(安部工業所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
2
先頭ページ 197
末尾ページ 202
年度 1992
要旨 はじめに
鉄筋コンクリートコーベルは柱前面より荷重作用位置までの距離と梁の高さの比が1以下の片持ち梁で、せん断の影響が曲げモーメントに比べて大きく、ディープビームに類する。このような問題に対し、Jensenは曲げ破壊を前提として耐力算定式を誘導している。しかし、この式はコンクリートの引張強度については一切触れられておらず、残留強度的な耐力式となっている。また、常に曲げ破壊が発生するとは限らず、せん断破壊やそれらが混合した形式で破壊することも予想される。特に、柱前面より荷重作用位置までの距離が小さい場合はその傾向が顕著に現れる。さらに、同じ荷重作用位置であったとしても、鉄筋量の相違によって破壊形式は異なるであろう。一方、原らはせん断破壊を前提として、鉄筋コンクリートコーベルの耐力算定式を展開している。この方法は変位の不連続場を用いた極限解析に基づく方法で、鉄筋量およびせん断スパンと高さの比をパラメータとした耐力式となっている。しかし、この耐力式によると、鉄筋量の増加に伴い耐荷力に負勾配が見られ理論的に不都合が生ずる。この主な原因は外力の成す仕事の評価方法にあるものと思われる。そこで、本論文では上記の二つの破壊要因に対し、曲げ破壊ではコンクリートの引っ張り強度を考慮した耐力式を誘導し、せん断破壊の場合には外力による仕事を変位ベクトルと外力の内積から求め、耐力算定式を求めた。また、これら二つの式より、せん断スパンと高さの比、ならびに鉄筋量をパラメーターとして適切な破壊機構と耐荷力を推定する方法を提案する。
むすび
鉄筋コンクリートコーベルの耐力式を曲げおよびせん断破壊の両者の立場から誘導した。これらの関係から、次のような結論を得た。1)せん断耐力式において、鉄筋量増加にともない、原らのような耐力の低下は見られない。2)曲げ耐力式の場合、Jensenの式では無筋状態で耐力が0となるが、コンクリートの引張強度を考慮することで、このような不自然な現象を防ぐことができた。3)鉄筋量(βy)ならびにせん断スパンと高さの比(λ=a/h)をパラメータとして、簡易的に破壊機構と耐荷力の推定が行なえるようになったものと思われる。
PDFファイル名 014-01-2033.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る