種別 報告
主題 高密度ポリエチレン製シートを用いた防食工法の開発
副題
筆頭著者 竪川孝生(大林組)
連名者1 西村清一(大林組)
連名者2 山中治明(タキロン)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 847
末尾ページ 852
年度 1994
要旨 1.はじめに
 わが国においても下水道人口普及率が50%近くになり、多くの下水処理施設が稼動するようになった。それに伴い下水処理の過程で発生する硫化水素から生成された硫酸によって、下水処理施設のコンクリートが腐食される事例が多く報告されるようになり、それらに対する防食の重要性が提起されている。
 これらの問題に対処するため、多数の突起を千鳥状に配置した高密度ポリエチレン製シートを使用したコンクリート表面の防食被覆工法を開発したので、ここに報告するものである。
 高密度ポリエチレンは各種容器、絶縁材料、水道配管等に広く使われており、酸やアルカリに強く、化学的安定性に優れた材料である。本工法は、従来の塗布防食工法のようにコンクリート硬化後の表面に塗付するのではなく、コンクリート打設前に型枠に取り付け、コンクリート打設・硬化の後、型枠を脱型すればコンクリート表面に防食層が完成する工法である。
6.結び
 塗布防食工法にかわる新しい防食工法として、多数の千鳥状突起を有する高密度ポリエチレン製シートを開発し、これを使用した防食工法に関する基礎実験および実現場への適用を行った。得られた成果を整理すると以下のようになる。
1)高密度ポリエチレン製防食シートは、水道用のポリエチレン管継手の規格等に適合した安全性の高いもので、しかも耐オゾン性に優れたものである。
2)シートの耐摩耗性試験における摩耗量は硬質塩化ビニルの1/6、ガラス繊維補強ポリエステルの1/35、コンクリートの1/47と小さく、耐摩耗性に優れている。
3)シート間の接合は溶接によって行うが、押出し溶接機を使用すればシート母材の引張強度の90%以上の溶接強度が得られ、また止水性も高い。
4)固着強度試験における破壊は突起の抜け出しにより生じ、シートの破れ、突起の切断等はない。
5)ブリーディング抑止剤の使用は床面施工時の固着強度改善に効果的である。
6)現場適用の結果、十分な施工性を有することが確認できた。
 以上のように高密度ポリエチレン製防食工法は施工性および防食性に優れた工法で、今後ますます増大するであろう下水処理施設の防食工法として究めて有望な工法と考えられる。
PDFファイル名 016-02-1140.pdf


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