種別 論文
主題 鋼繊維補強コンクリートの現場施工と鋼繊維の配向および分散について
副題
筆頭著者 山本忠(東北電力総合研究所)
連名者1 笠原信年(東北電力総合研究所)
連名者2 大橋俊夫(東北電力総合研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 229
末尾ページ 232
年度 1980
要旨 1.まえがき
 数年来、鋼繊維コンクリートの研究が盛んに行われ、その引張強度、曲げ強度・引張歪能力、破壊靱性などが従来のコンクリートと較べて格段に改良されることが判明した。各方面の利用研究、実用化研究が行われており、中でもトンネルライニング、道路舗装などは各所で試験施工され(1)、実用の段階まできている。本稿はSFRCの衝撃、凍結融解に対する抵抗性を利用し、水力発電所のえん堤の補修に試験施工した報告である。このえん堤は土石流のオーバーフローによる摩耗、キヤビテーションあるいは凍結融解によつてコンクリート表面の侵食がはげしいので、劣化部分をはつりとり、表面に20cm厚のSFRCライニングを行つた。補修効果が確認されるのはかなり先のことになるが、以下に現場施工の問題点と、打込後のボーリング資料による鋼繊維の配向、分散について、概要を報告する。
8.まとめ
 1)、鋼繊維の混入をレミコン会社のプラントて行う場合はアジテーター1台当り約30分かかるとみて、施工段取りを行うと良い。なお、この場合レミコン会社が他の現場へ出荷する時間的予定を充分考慮に入れて予定を組む必要がある。2)、プラント上部への鋼繊維の荷揚げや、上部での一時保管場所、繊維投入人員(分散機がないと、かなり重労動であり、交替要点が必要)など少量打設でも(20m3位)かなり大きな問題となる。荷降し場所ての繊維混入ができれば一番望ましい。3)、小運搬にかなり急傾斜のシュート、ベルコンなどを使用したが、分離がなく良い状態のコンクリートが打てた。むしろ普通のコンクリートより扱い良い。スコップ、突棒、バイブレーター、こて均しなど普通コンクリートと同様に扱つてよく、又表面に鋼繊維は全く出ない。(仮砕面、こて均し面とも)4)、鋼繊維の方向はコンクリートの流れの方向に向くので、バイブレーターの使用方法に充分注意すれば、かなり効果的な繊維補強を行うことができる。5)、今回はセメントを多く使用して、かなり施工性の良いコンクリートを用いたが、表面活性剤などの力を倍借りて、セメントを少くし、マスコンクリートに適用できると、温度応力によるクラックの防止に大いに役立つのではなかろうか。6)、現場施工中心に述べたが、強度に関しては現在検討中であるので別の機会に報告する予定である。以上取水えん填補修工事試験施工について報告したが計画から施工・試験まで始終御指導載いた東大生研の小林教授ならびに同研究室の各位、又、実施にあたり絶大な御協力をいただいた盛岡カイハツ生コン(株)、(株)サンゴ、(株)竹中土木、ならびに東北電力(株)関係の各位に厚く感謝申し上げる。
PDFファイル名 002-01-0058.pdf


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