種別 | 論文 |
主題 | シリカフュームを用いたコンクリートの水中疲労について |
副題 | |
筆頭著者 | 尾崎訊(室蘭工業大学工学部) |
連名者1 | 菅田紀之(室蘭工業大学工学部) |
連名者2 | 渡辺洋一(室蘭工業大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 75 |
末尾ページ | 80 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 大気中と比較して水中でのコンクリートの疲労強度が著しく低下することは、近年幾つかの研究報告によって明らかにされているが、それを改善するための有効な手段は未だ解決されておらず、疲労強度低下の原因も明らかにきれていないのが現状である。このため水中または湿潤環境下で繰返し荷重を受ける海洋構造物あるいは橋梁の鉄筋コンクリート床版などを考えるとき、疲労強度低下の原因を究明しつつ改善を図ることは急務と考えられる。 著者らはこれまでに水中圧縮疲労強度改善の試みとして、鋼繊維コンクリート、SECコンクリート、シリカフューム10%置換コンクリートなどを用いた疲労試験を行ってきたが1)、それらの完全片振り200万回疲労強度はそれぞれ静的強度の42%、43%、39%であり、大気中での疲労強度が静的強度の55%前後であることと比較して、まだ低い値であると言わざるを得ない。そこで、本研究では、シリカフューム置換コンクリートに着目し、先に行ったシリカフュームの置換率10%を20%に増加して疲労試験を行い、シリカフュームで置換することによる水中圧縮疲労強度の改善効果を調べるとともに、置換率の違いによる200万回疲労強度の差を明らかにした。さらに以前SEC工法での改善効果が比較的大きかったことから、シリカフュームを20%置換したコンクリートに対し、SEC工法を併用した場合の効果も併せて検討した。また疲労試験と並行して疲労試験水槽内のpHの変化と供試体の歪を測定することによって水中でのコンクリートの疲労性状についての検討も行った。 4.結論 (1)修正グッドマン線図を利用して完全片振りに換算した普通コンクリートの200万回疲労度は、大気中の場合には静的強度の56%であったのに対し、水中では30%に低下したが2)、水中でもシリカフュームで10%置換することによって39%、20%置換することによって44%に改善された。 (2)シリカフューム20%置換SECコンクリートでは200万回疲労強度が45%にとどまり、SECコンクリートの43%と比較して相乗効果は殆ど見られなかった。 (3)シリカフュームで置換したコンクリートあるいはこれにSEC工法を併用したコンクリートでは、ボゾラン反応や骨材界面の強化による水密性の向上によって、破壊時期近くに至るまでのひび割れが抑制され、疲労寿命は伸びたが、破壊時には水中疲労に共通する急速な破壊性状を示すことが、pHや歪の測定から知ることができた。 |
PDFファイル名 | 009-01-1014.pdf |