種別 | 論文 |
主題 | コンクリートの強度分布の確率特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 大岸佐吉(名古屋工業大学) |
連名者1 | 小野博宣(中部大学工学部) |
連名者2 | 棚橋勇(名古屋工業大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 127 |
末尾ページ | 132 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 材料強度のバラツキは、構造部材の安定率設定のうえで重要である。従来コンクリート強度の分散を正規分布で扱うことが多かった。しかしコンクリートは元来不均質な組織であり、内部構造上のランダム性に基因するバラツキを本源的にもつ。従ってこの破壊現象は本質的に確率現象であり、強度の分散は材料の固有値であると考えられる。現在コンクリート強度の確率論的考察には、(1)直列モデル[文献1-6]、(2)並列モデル[7-13]、(3)複合モデル[14]などの提案がある。著者[15、16]もセメント系硬化体の確率論的検討の一部を既に報告した。 本研究は、コンクリートの曲げと圧縮の両強度分布を2母数ワイブル分布により検討し、ワイブル定数に及ぼす試料寸法、骨材粒径、粗骨材容積および空隙率の各影響を実験的に解明し、併せて強度の変動係数とワイブル係数との実態関係について検討したものである。 6.結論 コンクリートの強度分布に関するワイブル定数検討の結果は、次の如く要約される。 1)コンクリートの強度分布はワイブル分布に従う。すなわち強度分布は確率論的には材料の特性に基づく固有値と理解され、単純なバラツキではない。 2)信頼できるワイブル定数をうるに必要な最小試料数は約20個である。Mcはmbより大きい。 8)コンクリートの試料寸法が大きいほどmb値は高まる。使用する骨材径が20mmでは、確率論的に必要な最小試料断面寸法は約40cmであるとみなされる。 4)ワイブル定数mは骨材径に依存し、大粒径骨材ほどm値は低下し、変動係数が増す。 安定なmを与える(D/d)の限界値は骨材径により異なる。 5)粗骨材容積比を増すと、強度は増大するが、mbは低下し、不均質性が著しくなる。 6)mcは空気量の影響を受ける。また本実験の範囲においてmは水セメント比に依存しない。 7)変動係数vとワイブル定数mとの実測関係は式(12)と式(13)によく合一する。 |
PDFファイル名 | 009-01-1023.pdf |